本物の「勇気」とは何か、考えてみた。
僕はプロボクサーです、だなんて周りに言うと、
「よくあんな怖いスポーツできますね・・」とか、「痛くないの・・?」とか、「すごいなぁ・・」とか、
いかにも僕に、「とてつもない勇気」があるのではないかと思われることも少なくありません。
殴り合いのスポーツをやってるということは、実際には少しだけ勇気があるのかもわかりませんが、じゃあその勇気はなぜ持っているのかというと、決してはじめから備わっていたものでもなければ、頑張って鍛え上げた代物でもありません。
勇気なんてきっと、自分でつけようと思ってつけられるものではない。それよりも、周りの人の存在によっていつの間にか、身についているものだと僕は思うんです。
勇気をくれる2種類の人たち。
ボクシングの試合って、めちゃくちゃ怖いです。
特に試合前の控え室、バンテージを巻いているくらいはそのピークで、縁起が悪いかもしれませんが、「なにか事件が起こって中止にならないかな・・」と思うことも僕の場合は普通です。
本当は逃げ出したいし、できれば殴られたくないし、殴りたくもないし、できるものなら話し合いで解決したい。。。
要はそのくらい、”ビビってる”ということです。
そんな時、ふと頭をよぎる2種類の人たちがいます。
1つ目は、
「頑張ってね!勝つことを期待してるよ!」
というお声をかけてくださる人たち。
2つ目は、
「どんな姿でもいいから、帰ってきてね」
というお声をかけてくださる人たち。
どちらかに優劣があるわけではなく、どちらの方が嬉しいということでもありません。
ただ、
「怖いと思った時、それでも一歩前に出る勇気」
という視点から見ると、この2つは大きく異なってきます。
「強い心」ではなく「安心感」。それが勇気に繋がった。
僕自身もずっと、勇気とは、「恐れを知らない気持ち」だと思ってました。
だから、自分にはそんなものは無いと思っていたし、「あの人だからできるんでしょ」と、自分の努力不足を棚に上げて人のせいにしたりもしていました。
だけど、いろいろな人に出会っていく中で、
「あれ?あの人すごく弱そうなのに、なんであんなに勇気をもって行動ができてるんだろう?」
と感じる瞬間がたくさんあったんです。
すごく不思議ですよね。いかにも弱そうな人が人前に出て、批判を受けながら、それでも後ろを振り返らずに、自分の夢を成し遂げる。
自信に満ち溢れた人がそれをやっているのなら分かりますが、全くそんなことはない、なんなら勇気がなさそうな人まで、前を見て行動していたんです。
僕の中での「勇気」の定義が変わった瞬間でした。
その人は、人よりも強い心を持っていたのではなく、
「安心感」
があった。
つまり、
「何をしても見捨てられないという安心感のある環境で生きていた」
ということだったんです。
勇気があっても負けることもある。が、勇気がなければ勝つことはない。
例えば、
「勝たなければ認められない」
という環境で生きている人と、
「負けてもそのままの自分を認めてもらえる」
という環境で生きている人。どちらの方が、勇気を持って行動できると思いますか?
・・・・・・・
おそらく、後者ではないでしょうか?
ボクシングでいえば、負けてもいいと思えれば、倒されるリスクを背負ってでも、一歩前に踏み出すことができます。
ボクシングは、この「一歩前に踏み出す」というのがすごく大事で、あと数センチ踏み込めるかどうかによって、試合の結果が大きく変わってきます。
ちなみに、「負けてもいい」というのは、決して「勝たなくてもいい」ということではなく、
「たとえ負けたとしても、少しでも勝つ可能性の高い行動を選択することができる」
ということです。
プロボクサーはみな、「勝つこと」を目的に日々トレーニングをし、自分を追い込んでいます。
それなのに、勝つためのあと数センチを踏み込むリスクが背負えないのは、考えものですよね。
じゃあその一歩をどうやって踏み込むのか?
それはもう、「勇気」しかありません。
じゃあその勇気とはどうやって生まれるのか?
それこそが、
「ありのままの自分であることを認めてもらえる環境で生きているかどうか?」
にかかってるのだと僕は思うんです。
その環境で生きて初めて、自分の夢が叶う。だからまずそんな人間を目指すことが先。だと僕は思った。
「勇気がない」のではなく、「勇気が生まれる環境で生きていない」だけ。
「挑戦が怖い」のではなく、「挑戦できる環境で生きていない」だけ。
だと僕は思います。
だから僕は、
「自分が自分らしくいられる環境づくり」
のための努力を、まずはしたほうがいいと思いました。
それが手に入れば、怖くても勇気を持って一歩前に踏み出せます。
その結果、時には負けることもあるかもしれません。でも、一歩前に踏み出さなければ、そもそも勝つことはありえません。
自分が自分らしくあることで初めて、自分の夢を叶えるための一歩を踏み出すことができるということです。
条件付きの愛なんて、なんだかツライです。勝ったから認めてもらえるなんて、そんな他人任せの人生を僕は生きたくないです。
全ての人には使命があって、その使命を全うすることが、その人だけの唯一無二の成功になるんだと僕は思います。
だからPUGMEでは、まずは僕のような無名のボクサーでも価値があるということを示し、それを見た人に、
「そういう夢の叶え方もあるのね!」
と思ってもらえるような環境を創ります。
そして、メンバーの皆様に、
「自分が自分らしくいられると心から思える環境」
を提供していきます。
全ての人が、そのままの自分を認められる環境で生きられるようになれば、もっとたくさんの人が夢に挑戦し、その中で失敗を経ながらも、
自尊心を失うことなく、また新たな一歩を踏み出すことができると思うからです。
そもそも、本当に価値あるものは「完成品」ではなく、その過程、つまりは「メイキング」だと思うので、夢を追っているその最中もすでに、成功してるって言ってもいいと思います。
まずは僕がそれを口だけではなく、実際に体現しようと思っていますので、ぜひこのPUGMEで、そんな僕を笑いながらでもバカにしながらでも、見届けてみてください!
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